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枯れノ様

庭に根を生やす古木の果樹の葉は、
秋が忍び脚で去っていくと、時を共に草臥れてゆく。
北よりの風にあおられ、かさかさと乾いた音をたてながら、
徐々に、其の色を地面へと還してゆく。
艶やかな紅も黄も無く葉は落ち、
枝は、幾分軽くなった其の腕をだらりともたげる。

其の傍らでは、大根が活力に富んだ葉を所狭しと広げている。
なるほど、移ろいとは、其の過程の最中に、あらたな息吹を呼び込むということなのかと、
枯れの果て、縮み、そして土の上に還った無花果の葉が、風に吹かれる様を眼にし、
わたしは、冬の寒さに備え、襟を立てるのである。

11月30日 水曜日は、定休日となります。
宜しくお願い申し上げます。

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