【印刷用レイアウト】

狭間

霜月 


秋と冬との狭間に身をおく。
時折吹き付ける北風が、秋を隅へと追いやってゆく。
心地よかった十月に戻る術等無く、毛糸のスウェターを頭から被る。
両手と言えば、気づかぬうちにズボンのポケットに逃げ込み、
無防備な襟元をめがけ、冬将軍が大きなくしゃみを残す。


冬とは、突如目の前に現れた長いトンネルのようなもので、
此の一本道は後戻りなど出来ないのである。
恐るおそる暗いトンネルへと脚を運ぶ。
手に握り締めたライトが、弱々しく足元を照らす。
入ったばかりの長いトンネル、
出口は未だ見えず、心の線が音も無く細くなるのを感じる。


11月7日 水曜日は、定休日となります。
宜しくお願い申し上げます。

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