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-8

長野県のとある峠、 
時刻は午前7時、
外気温 マイナス8℃とある。
思わず自動車の窓を下ろし、
普段相対する事の無い外気に肌をさらす。
時間にして3秒程であろうか、
わたしの右手は、窓を上げる事を即座に選んだ。


橋という橋は、当然のように凍結し、
てらてらと不気味な笑みを此方に向ける。
まるで、大きな口を開けた鯰のようである。
大きな口を開けた鯰など、この目にした事は無いのだが。


兎に角、今冬新調したMichelinに頼り、いざ目的の場所へ。
シニアな仲間と冗談を交わし、正午までスラロームを楽しむ。
昼食に蕎麦を平らげ、そしていつもの露天風呂へ。


真っ白な息を吐きながら、石の階段を降りる其の最中、
「立ち入り禁止」とある其の文字を流し目で捉えながら、左脚は湯船へと地面を蹴った。
そう、力強く石畳を蹴り上げたのである。
見事な跳躍、そして右脚から着水、腰まで浸かる。
其処で、ようやく「立ち入り禁止」の意味を知る。
「水ではないか。」
冬鳥の其れにも似た小さな悲鳴とともに、石畳へと飛び上がり、
仲間と共に駆け上がった、一目散に、湯船を求め。


1月23日 水曜日は定休日となります。
宜しくお願い申し上げます。

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