色を選ぶ際、口癖の様に "チャコールグレー" と言ってしまいます。　
靴下も鞄も帽子もセーターも、どの色が欲しいかと問われると、
"チャコールグレー" という具合です。
では、わたしの持ち物が、其の色で埋め尽くされているかといえば、　
実際のところ、あまり其の色は見当たりません。
四十を過ぎ、其の矛盾が少し理解出来たように感じます。
十九、二十歳の頃は、其の色に随分と憧れたものでした。
しかし、いくら背伸びをしたところで、似合うはずもありません。
色は深く落ち着き払っているのに、其れを手にする、または、着用している当人は
未だ地に足がついていない。
其の色の物や服、帽子などと自分との距離を感じたものです。

さて、そろそろ其の色が似合うのか、ということになりますが、どうでしょうか。　
地に足がつき、そして風にも耐え得るような根が張った頃ならば、
"チャコールグレー" を選ぶことになるのかもしれませんが、
当面は、現状維持、もしくは靴下くらいなら、といったところでしょうか。

12月4日 水曜日は、定休日となります。
宜しくお願い申し上げます。