【印刷用レイアウト】

Pannacotta

お店を始めて以来、継続してメニューに載るデザートで御座います。 
存在としては、タルトやチーズケーキの圧力に押され、
ズリズリと脇に追いやられる彼で御座います。

「僕は "固形でもない、"液体でもない "中途半端な存在なんだよ。」
「"ムース" の様に角が立つわけでもなく、"プディング" の様に名の知れた存在じゃないんだ。」

と、パンナコッタが夕暮れの中、右脚で石ころを蹴飛ばしながら愚痴をこぼした、
というのは冗談では御座いますが、
ニッチなマーケットには、ニッチなマーケットなりに、こっそりと熱烈なファンが居るものなのです。
そして、わたしは其の極少数の方々のために日々パンナコッタをこしらえております。
これは、パンナコッタのセールスの為に書いている訳では御座いません。
パンナコッタは、日の目を見ない訳ではないのです。
パンナコッタは、彼なりに確固たる小さな居場所を確立しているのです。
カリブ海に浮かぶ名も無き小さな島のような居場所を。

もし、あなたが、どこかのお店へ出向き、
テーブルに運ばれたメニューをご覧になったとき、
其の隅の方に "パンナコッタ" と記してあったのならば、
少しでいいから気に掛けてやって欲しいのです。
注文する、しないは、あなたが決める事。
ただ、気に掛けてやって欲しいのです。
ナタデココと同系列で見ないで欲しいのです。
カロリーも気になるかもしれない。
腹に溜まらないかもしれない。
でも、あの"トゥルッ" とした食感、
そして、満ち溢れる幸福感を現実のものとした時、
それはきっと、あなたにとって有益なものとなる筈です。

12月3日 水曜日は、定休日となります。
宜しくお願い申し上げます。

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