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Greece

もし、「明日から3ヶ月間、費用はこちらで持つから、兎に角何処かへ行ってくれ!頼む、お願いだから。」 
と誰かに言われたならば、あなたなら何処にお出向きになられるのでしょうか?

アラスカのマッキンリーで宇治金時のかき氷を召し上がるのでしょうか。
カリブ海に浮かぶ小さな島で、鶏ちゃん(けいちゃんと読みます)の屋台を開き、ひと稼ぎされるのでしょうか。
はたまた、ご自宅の庭にツリーハウスをこしらえて、「俺は3ヶ月帰らんけんねー」と
木城生活を楽しまれるのでしょうか。

わたしは、ギリシャに行きたい。
都市部ではなく、海沿いの小さな町で、小さなアパートでも借りて、
朝、目が覚めたら近所のカフェニオンまで歩いて行って、ギリシャコーヒーとお任せサンドウィッチを注文し、
読めないギリシャ語の新聞の政治欄を眉間にしわを寄せて
「うーむ、失業率が・・・。」などと呟きながら読んでいるふりをし、
食事を終えたら、近くの港まで歩いて行き、雲ひとつない青い空を見上げてから、漁師からサバとイカを買って、
「なぁ おっちゃん、サバ三枚におろしてー」と多少無理を言って三枚におろしてもらい、
それから道を左に折れた先にあるキオスクによって
ミネラルウオーター1ダースと値打ちな白ワインを3本買い込み、
「なぁ ねーちゃん、ペリエ3本おまけしてー」と毎日買い物に来ることを条件におまけしてもらい、
ちょっと疲れたし喉が渇いたので、先程のカフェニオンに寄って、白ワインを一杯とペリエを注文し、
「なぁ 兄ちゃん、昼飯にサバの塩焼きとイカフライつくるけん、
レモン3つとオリーブオイルちょっととパン少し分けてー」
と晩飯を食べに来る約束のもと分けてもらい、両手に荷物一杯抱えてアパートに帰る途中で、
「ほら、土産だよ!」と言って、サバの三枚おろしの骨の部分を近所の猫にお裾分けし、
アパートの玄関で鍵を探すのだけれど、どのポケットにも入っておらず、
「ありゃ、どっかで落としたか」と思ったところ、鍵なんてかけちゃいないことを思い出し、
ドアノブをぐるりと回しドアを開け、アパートの中に入り、
サバとイカと白ワインを冷蔵庫にしまい、腹が減るまで雲ひとつない青空を眺めていると、
自分が何も欲していないことに気が付くのです。
この雲ひとつない青空と海とオリーブオイルをたっぷりとかけたサバの塩焼きとレモンを添えたイカフライと
白ワインとペリエとパンと読みかけの本数冊と、
あのカフェニオンと漁師のおっさんとキオスクのねーちゃんと近所の猫がいれば、他に何が必要だというのだ、
と思うのです。

そして、3ヶ月が半年に、半年が1年にとなり、わたしはギリシャの虜となってしまうのでしょう。

まぁ、それはそれで楽しそうではありますが。

御来店の際、お車は一組一台でお願いしております。 
ご無理申します。
御理解頂けますと幸いです。

6月21日 水曜日は、定休日となります。 
宜しくお願い申し上げます。

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