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多様化

物事の "多様化" が、じわりじわりと其の幅を利かせてきています。
今までは、だいたいの事柄において「三つの中から選べればよい」と考えてきました。
しかし現在は、仮に三種類の選択肢しかなかったとしても、
其の一択ごとに枝が分かれていてあちこちから "細分化" の芽が出ています。
こうなってしまうと、一見シンプルなようで、実のところ選ぶのが大変ということになってしまいます。
勿論選択肢が多いというのは喜ばしいことだろうし、より良いサーヴィスにもつながるのだとは思いますが、
わたしのような不器用な人間にとっては「うーむ、何だか解りにくいな。」
ということになってしまうのです。
それほど人との違いを求めないのであれば、選択肢は多いよりはむしろ少ない方が楽であるし、
それ故に "飽きる" ということもあまり起きないのではないでしょうか。
しかしながら、"飽きる" というのは "煩悩" を生み、それが "消費" につながる訳ですから、
これはこれで、「必要なんだろうな。」と思わない訳にはいきません。

まぁ、昼夜ともにメニューがそれぞれ一種類という飲食店を営むわたしが言ったところで
説得力も何もない訳ですが、
大きな流れにからめとられてしまわぬように、しっかりと自分の根を張りたいところです。

■ 営業時間のお知らせ

平日 11時~17時 (基本的に夕方までの営業となります。夜のお食事はご予約での対応となります。)
土日 11時~21時

◆喫茶(11時~)
◆ランチ(デザートお茶付き 税込み1,650円 11時~ラストオーダー14時30分)
◆午後の軽めのお食事 "サラダブランチ"(税込み810円 14時30分~17時)
◆夜のお料理3皿のミニコース"ディナー ディッシュ "(税込み1,800円 17時~ラストオーダー19時30分)

3月28日 水曜日は、定休日となります。 
宜しくお願い申し上げます。

ザムザ

ふとしたキッカケから10数年ぶりに(あるいは20年ぶりに?!)
フランツ・カフカの「変身」を本棚から取り出しました。 
古典といってもいいくらいのこの小説ですが、
仕事を終えた後に、店内でひとりでぺらぺらと読み始めたところ、
これが面白くて止まらないのです。
100頁という比較的短い小説ですが、
「こんなに面白かったですか?」と自分に訊ねたくなってしまいました。 
久しぶりにターンテーブルにのせたレコードと同じように、
時間を経て読み返してみるというのも、小説の醍醐味なのかもしれません。
若かりし頃には踏み込むことが出来なかった物語の領域に、
年齢と共に、少しずつ入り込むことが出来るようになったのかもしれません。
歳を重ねるということは、なんとも面白いことです。
老いていくのか成長していくのかよく解りませんが、
またこんな発見があると嬉しい限りです。
「流刑地にて」も久しぶりに読んでみたくなりました。

御来店の際、お車は一組一台でお願いしております。 
ご無理申します。
御理解頂けますと幸いです。

3月21日 水曜日は、定休日となります。 宜しくお願い申し上げます。

続 “営む”ということ

「今年で36年目です。」
20数年ぶりに訪れた其のお店のお父さんは、
大仏様のようなその顔をこちらに向けて、小さく笑いながらそう呟いた。

「まだ営業しているのか?!」
わたしの開口一番に出てきた言葉だった。
友人と食事に出向く際に、彼の口から其の店の名前が出た時には心底驚いた。
10席弱の小さなカウンターと小上りがひとつ。
カウンターの上の平皿や鉢に料理が盛られ、「これとこれとこれ、それからビールをお願いします。」
というように注文する店だ。
お父さんはその大きな体をお世辞にも広いとは言えないカウンターの裏側で、
右に左にゆっくりと動きながら料理を小皿に盛りつけしてくれる。
時折、店の端にあるテレビに目を向けながら静かに仕事をする。
会計は未だに算盤(そろばん)だ。
ずっと同じ場所で、同じ営業形態で、日々淡々と労働する。
Wi-Fiもアカウントもパスワードもメールアドレスもなし。
其処に店があって、白の割烹着を着たお父さんが居て、カウンターに料理が並ぶ。
静かなる継続 これこそ私の向かう先にある"営み"なのかもしれません。

3月14日 水曜日は、定休日となります。 
宜しくお願い申し上げます。

“営む” ということ

今年に入ってから、あらためて "営む" ということについて考えております。 
わたしのような、ささやかな営みであっても、
やはりそれは "営み" なのだと感じます。
では "営む" とは何のことを指すのでしょうか?

辞書を引いて出てくる言葉では、いまひとつ腑に落ちません。
勿論それが間違っているとは申しません。
其処には、何かが足らないと感じるのです。
では、何が足らないのでしょうか?

考えれば考える程 "禅問答"のようになってしまいます。
真意を探るのはなかなかと難しいですね。
なので、物事を単純に捉えてみました。

わたしにとっての "営む" とは?

それは「準備する」ということ。
そして「準備する」ということを毎日継続していくこと。
それが "日々の営み" となり、
わたしの生活になるということです。
お客さんが来た時のために「準備する」。
店を整え、キッチンを整え、テーブルを整え、カトラリーを整え、
その他の様々な事柄を整えておく。
それがわたしにとっての "営み"なのだと思います。
準備はしたけれど、店は暇かもしれないし、
準備はしたけれど、それが足りないこともあるのかもしれない。
それでも、自分の器に収まる範囲でしっかりと準備し続けるというのが、
わたしにとっては、大切なことなのだとあらためて思います。
至らない点があるかとは思いますが、
カタツムリの歩みで日々、少しずつ進んでおります。

少しずつでいいから、良い店になればいいと思っております。

■ 営業時間のお知らせ

平日 11時~17時 (基本的に夕方までの営業となります。夜のお食事はご予約での対応となります。)
土日 11時~21時

◆喫茶(11時~)
◆ランチ(デザートお茶付き 税込み1,650円 11時~ラストオーダー14時30分)
◆午後の軽めのお食事 "サラダブランチ"(税込み810円 14時30分~17時)
◆夜のお料理3皿のミニコース"ディナー ディッシュ "(税込み1,800円 17時~ラストオーダー19時30分)

3月7日 水曜日は、定休日となります。 
宜しくお願い申し上げます。

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