- 休業1週目 ”マリネ”
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4月18日の朝はいつものように早起きしてコーヒーを少し多めに淹れて朝食をとった。
ラジオを聴きながら店内を掃除、テーブルと椅子を拭く。
カトラリーの並ばないテーブルは何かが欠けているように見えた。
雨が止んだら花でも摘んで飾っておこうかと思った。
仕込みもなし、皿洗いもなしだと「なにかつくってみるか」という気持ちが湧いてくる。
追われる日常の中で「前」ばかり見ていたので「わき見運転」が少し新鮮なのかもしれない。
パンのレシピを考え、試作。黒胡椒の丸パンは少し胡椒を挽きすぎたけれど
オリーブオイルの香りがふわっとしてなかなかおいしかった。
思いつきで鶏胸肉でタンドリーチキンをつくる。
厚めにスライスした胸肉をヨーグルトとスパイスに漬け込んだ。
少しコクが欲しかったので練り胡麻を加えてみた。
こういう "マリネ" の作業が好きだ。
少し時間はかかるけれどあらたな「変化」が生まれる。
デザート用に買っておいた林檎はジャムにした。
三温糖とレーズン、スパイス、白ワインを少し入れて煮詰めた。
ほうじ茶とクリームでジェラートをつくった。 煮立たせたほうじ茶の香りがなんだか新鮮だった。
「和」のデザートもたまにはいいなと思った。
名古屋で暮らす友人に「仕入れてしまった牛乳をドローンで届けるよ」と冗談。
たわいもない話ができる友人にいつも助けてもらっている。
この時期は畑仕事が忙しい。
インゲン、胡瓜、ゴーヤは「ネット張り」が必要なのだけど、不器用な僕は大の苦手。
でも休業中なので時間をかけてネットを張っていく。
必要なのは時間の余裕と気持ちの余裕だとあらためて思う。
春は素敵な季節としてそこに存在しているのに、
世界のざわつきはおさまることはなくて、
いつ終わり、いつ戻るのかと誰もが思うところ。
「今は "マリネ" の時期なのだ」
僕はそう思っている。 -
- カテゴリー: リトルムッシュのこと
- 2020 年 4 月 21 日