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立冬

忍び寄る冬の気配 

雲無き夜空に月は低く照り、
夜風が枯葉を舞い立て、
凛と背筋を伸ばす冬野菜。
明け方の夜露や霜、
遅くなる日の出、
朝早く練ったパンが焼ける香りと、
クリームを落とした熱いエスプレッソ。

薪ストーブを焚きつけ、
しばらくその場に佇む。
薪を足し、もうしばらくその場に佇む。
周りの空気がゆっくりと温もりを蓄える。
もうしばし火を眺める。

刻む時計の指針を忘れ、
ゆるやかなる冬の朝の一時。

早くもむかえる夕刻。
陽は山の背に引かれるように落ち、
すぐさま闇が駆け足で追いかけてくる。
長い夜のはじまり。
日付が変わるまでの、
夏夜より有意義な四分の一日を過ごす。

日々を綴る

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