【印刷用レイアウト】

I need you.

探していた短編集がどうしても見つからぬ。 


四段に分かれた棚板の、其の上段にあると記憶していたのだが。
確か、トルストイ、フランツ・カフカ、ポール・オースター、其の辺りにポツンと居たはずなのです。
いやしかし、そんな著名な小説家に両脇を固められては肩が凝ってしょうがないぜと、
夜更けにそそくさと移動してしまったのかもしれない。
ならばとわたしも、沢木耕太郎、安部公房、宮本輝の辺りに探りを入れる。
しかし、其の姿は見当たらず、どうしたものかと暫し考える。
「星野 道夫」 と記憶が呼びかける。
そう、星野道夫の 「旅する木」 の隣に居たはずだ。
三度、本棚の上段を引っ掻き回す。
既に、最初の目的は忘れてしまい、今となっては、「旅する木」 が読みたくて仕方がない。
ない、ない、ない、何処にも居ない。皆目検討もつかない。
「旅する木」 が本棚で連れ合いを見つけて旅に出てしまうとは、小話でもあるまいし。


腕立て伏せでもして、其の本の存在を、きれいさっぱり忘れてしまおうか、
それとも、普段することのないアイロンがけでもしたら、ひょっこりと出てきてくれるのか、
三日間夕食抜きのストライキを決行すれば、許してもらえるのだろうか。


ない、ない、ない、何処にも居ない。



5月1日 水曜日は、定休日となります。 
宜しくお願い申し上げます。

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