- I need you.
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探していた短編集がどうしても見つからぬ。
四段に分かれた棚板の、其の上段にあると記憶していたのだが。
確か、トルストイ、フランツ・カフカ、ポール・オースター、其の辺りにポツンと居たはずなのです。
いやしかし、そんな著名な小説家に両脇を固められては肩が凝ってしょうがないぜと、
夜更けにそそくさと移動してしまったのかもしれない。
ならばとわたしも、沢木耕太郎、安部公房、宮本輝の辺りに探りを入れる。
しかし、其の姿は見当たらず、どうしたものかと暫し考える。
「星野 道夫」 と記憶が呼びかける。
そう、星野道夫の 「旅する木」 の隣に居たはずだ。
三度、本棚の上段を引っ掻き回す。
既に、最初の目的は忘れてしまい、今となっては、「旅する木」 が読みたくて仕方がない。
ない、ない、ない、何処にも居ない。皆目検討もつかない。
「旅する木」 が本棚で連れ合いを見つけて旅に出てしまうとは、小話でもあるまいし。
腕立て伏せでもして、其の本の存在を、きれいさっぱり忘れてしまおうか、
それとも、普段することのないアイロンがけでもしたら、ひょっこりと出てきてくれるのか、
三日間夕食抜きのストライキを決行すれば、許してもらえるのだろうか。
ない、ない、ない、何処にも居ない。
5月1日 水曜日は、定休日となります。
宜しくお願い申し上げます。 -
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- 2013 年 4 月 26 日
- 共存
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あっという間に緑の庭と化しました。
いくらか気温が上がり、何度か雨が降り、
そして気がつけば、野性味あふれる庭の出来上がり。
必要以上に手は入れず、ある程度、其の成り行きに任せる。
ここに、ヒトと自然の小さな共存が生まれます。
ヒトの都合で小奇麗に剪定されること無く、
植物は自由に手足を伸ばし、
咲きたい時に咲き、
枯れたい時に枯れ、
種をこぼしたい時に、土に未来を託す。
伸び伸びとした、いい景観で御座います。
4月24日 水曜日は、定休日となります。
宜しくお願い申し上げます。
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- 2013 年 4 月 22 日
- 目線
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北よりの西風が強く吹きつける。
車で移動し、小高い丘の上から、風をいくらかかわすであろう西よりのポイントを見下ろす。
うねりの向きや、良い波が割れる位置がはっきりとわかる。
目線をかえるということは、時に、其れまで見えなかった何かを得ることが出来る。
其の眺めを注意深く観察し、風向きを感じ取り、得るべき何かをイメージする。
その日、車の屋根に積んだ、9`10の板は、無用の長物とはならず、事なきを得たのでした。
4月17日 水曜日は、定休日となります。
宜しくお願い申し上げます。
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- 2013 年 4 月 15 日
- お休みのお知らせ
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紫陽花の新芽の黄緑色が眩く、
水仙の香りが鼻腔を擽る。
紋白蝶が南風に揺られながら飛び交い、
小鳥達が枝葉を飛び移る。
空高く上った太陽を眺めながら、
「長袖の麻のシャツが欲しいな」 と
少し気の早い物欲に、ひとりほくそ笑むのです。
4月10日 水曜日は、定休日となります。
勝手ながら、4月11日 木曜日は、お休みとさせて頂きます。
宜しくお願い申し上げます。 -
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- 2013 年 4 月 4 日
- 卯月
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贈り物に選んだのは 「万年筆」 でした。
インクの色は 「あさがお」 という青にしました。
些か古臭くて、流れのはやい世の中にあって、必ずしも実用的とは言えないであろう万年筆。
しかし、何事かを書き記し、ひと呼吸おき、そして筆をおさめる。
其の一連の流れには、忘れてはならないものがあると感じます。
決して、忘れてはならない何かが。
4月3日 水曜日は、定休日となります。
宜しくお願い申し上げます。 -
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- 2013 年 4 月 1 日