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月浮かぶ

午前一時にこっそりと家を出て、下道で海へ向かった。
車のエアコンを゛OFF゛にして、窓ガラスを開け放ち、夏の夜の風を取り込んだ。
樹木の茂った辺りでは、空気は幾分冷やかだった。
空いた夜道をスルスルと抜け、いつもの海岸には夜明け前に到着した。

真っ暗な海岸。
沖には数隻の漁船の灯りがみえる。
波打ち際では、わたしよりも早起きな釣り人が数人、キス釣りだろうか。
そして、西側の漁師小屋の前、海岸すれすれのあたりに、大きな月が文字通り浮かんでいた。
月の下では漣(小波)が白い帯を引いていた。
月は世界を明るく照らすのだ。
眠れない夜を過ごしたことのある人ならば知っているであろう。
月は世界を明るく照らすのだ。

朝が過ぎ、昼が終わり、そして夕方となった。
賑やかだった海岸は、人も疎らになった。
浜を歩くと、まだ砂が熱かった。
風が南に振れた。
大潮の満ち込みが終わろうとしていた。

8月17日 水曜日は、定休日となります。
8月18日 木曜日は、お休みを頂きます。

宜しくお願い申し上げます。

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