【印刷用レイアウト】

analog

水銀の体温計を脇に挟み待つこと三分。 
時計の針が三回まわるのをじっと眺める。
日常のただ疎かにしてしまう三分と比べ、
なにか意味のある時間ような気がする水銀の体温計と過ごす三分。

バネ秤の体重計にのる。
自分の成長の標が定まるまで、
身動きをせず、
左右に振れる数字を見下ろし、その値を予測する数秒。

アナログには "待ち時間" がつきものです。
レコードの針を落としてからの無音の数秒。
その数秒が、これから聴くであろう音に対する期待を膨らませてくれます。
今では数少なくなった凸版印刷。
その仕上がりの美しさもさることながら、
凸版一文字のディテールや、凸版印刷機のもつ、それ自体の存在感は、
他には替えられないものがあると感じます。

愛くるしいピアニカの音色や、カリンバの弾む音。
時を知らせる鐘時計の厚みのある音。
または、間もなく耳にするであろう108回の除夜の鐘。

物の価値観を大切にしていきたいと感じた、
11月 3度目の金曜日です。

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